雪山登山を始めるならできれば最初に揃えておきたい装備が冬用の登山靴です。
3シーズン用のものとの主な違いは、ワンタッチアイゼンに対応していること、保温材が入っていること、安定したアイゼン歩行のためにソールがより硬いというところなど。
近年では技術の進化で、昔のものと比べると驚くほど軽く歩きやすいものが多くなっています。
今回はそんな冬用の登山靴の中で今季おすすめのモデルをピックアップしていきたいと思います。
雪山に登るための登山靴を選んでみる
おすすめの冬用登山靴①スカルパモンブランプロGTX
スカルパの冬用登山靴の定番モンブランプロGTX。
アッパーにはプロテクションの高いスエード素材を使いながら、タング部分にストレッチ性の高い「ショーラー」、ゲイター一体型の「ソックスフィットシステム」を搭載することで、
堅牢性と、柔軟性を両立させることに成功しています。
ソックスフィットシステムはフロント部分をボタンで止めて固定する構造なので、着脱も容易に。
また、タングにポリウレタンのリブを注入することで、靴紐を締めたときの圧力が均等に足にかかるようにする工夫や、靴紐のロックシステムのおかげで歩行時のフィット感も高いです。
ソールに「ビブラムトータルトラクション」というグリップ性の高いソールが採用されていることや、歩きやすさを重視した形状からも、アイスクライミングなどのアクティビティよりは雪山登山に向いた靴だと言えます。
ライニングはゴアテックスインシュレーテッドコンフォートを採用し保温性と通気性も確保。
それでいて重量は910g(サイズ42)で1kgを切っているのですから、足が合えば、はじめての一足としてもおすすめできる靴です。
おすすめの冬用登山靴②ローバーバイスホルンGT
厳冬期の雪山にも対応できるようにLOWAの最新の技術が詰め込まれた一足。
ミッドソールに「I-CORE」と呼ばれる、軽量で強度のあるカーボンのバーをX字に配置した、高いねじれ合成と適度なしなりを備えたソールシステムが採用されています。
また、足首部の左右のレースループを非対称に配置する「フレックスフィット・テクノロジー」によって足の動きが複雑になるトラバースや、登攀時も靴が足の動きを妨げにくくなっています。
ダブルタング構造や、靴紐のロックシステムも搭載されているので、フィッティングの微調整も可能。
ソールにはビブラムDOLENTというグリップの深いパターンが採用され、雪のない岩場などの歩行でも安心して使うことができます。
ライニングにはゴアテックスインシュレーテッドコンフォートを採用し、保温性と透湿性を両立。
重量は975g(サイズUK8)と軽量です。
アイスクライミングにも使用できますが、充実した歩行性能サポート性能を活かせる雪山登山での使用が最もこの靴の良さを発揮できるでしょう。
オススメの冬用登山靴③スポルティバトランゴタワーエクストリーム
軽量且つ耐久性の高い3シーズン用登山靴として定評のある、トランゴタワーの冬対応バージョン。
足首をホールドしながらも動きに自由度をもたせる「3Dフレックスシステム」や、摩擦の受けやすい部分に採用された耐摩擦性のあるナイロン素材「ハニカム・ガード」などの技術はそのままに、雪山の登山にも対応できるように改良されたモデルが今季登場。
足いれ部分にはショートゲイターが追加され、ライニングには保温性と透湿性のある「ゴアテックスデュラサーモ」が採用されています。
装備の追加により重量が上がっているのかと思いきや、そこはさすがのスポルティバ。
アッパーのランドラバーをポリウレタンに変更するなどの軽量化により約735g(通常のトランゴタワーが約700g)という驚異的な軽量冬用登山靴に仕上がっています。
ソールにはグリップに定評のある「インパクトブレーキシステム」を採用。
雪のない場所でも高い衝撃吸収力とブレーキ性能が期待できます。
ただし、他のモデルと違いアッパーのメイン素材にナイロンを使用していることから、レザーの登山靴に比べ保温性にはやや不安が残るのは確か。
メーカーも小屋泊などでの使用を推奨していることから、冷え性の方や女性は注意したほうが良いでしょう。
雪山登山靴のおすすめ3選まとめ
今回は2018年—2019年シーズンにおすすめの冬用登山靴を紹介していきました。
近年では各社独自の技術で足首部分を可動しやすくする工夫や、より軽量化した登山靴が増えているように思います。
今回紹介した靴は一般的な雪山登山での使用であればどれも間違いのないものばかりですが、登山靴は足にフィットするかどうかが最も重要です。
購入を検討する際は、必ず試着して自分の足にフィットするものを選ぶようにしましょう。