大切な登山用パンツ/ズボンだからこそちゃんと知っておきたい選び方

登山の始め方

登山服の中でも最も行動を共にすることが多いのが登山用のパンツ(ズボン)。
一つのメーカーから数多くの種類のパンツが販売されていることをご存知でしょうか。

初めて登山をするためにパンツを買うにしても、買い増すにしても
買う機会はそこまで多くのはないのが実際のところではないでしょうか。

せっかく買う1着。
履き心地良く永く愛用できるパンツを選んでいただければ幸いです。

パンツを選ぶポイント

パンツの種類を覚えておこう

登山用パンツには5つの種類が存在します。

ショートパンツ、ハーフパンツ、キュロットスカート、ロングパンツ、コンバーチブルパンツです。
季節や天気に合わせてパンツを選ぶことも登山の楽しみになっています。

ショートパンツ

ショートパンツはトレランなどでも履いている方が多く、登山では女性がタイツと合わせて着用している例が多いようです。
身軽に動くことができ、軽量のため予備のパンツとしても1枚ザックに忍ばせておくと安心できる1着と言えます。

ハーフパンツ

ロングパンツと並ぶ人気のパンツはやはりハーフパンツ。
膝にかかっていなくても足の動きをセーブしてしまうこともあり、試着は必須と言えます。

キュロットスカート

キュロットスカートですが、パンツに分類しました。
ラップスカートの台頭でキュロットスカートも減少かと思いきや根強い人気があります。
スカート風に見えるオシャレさを持ち合わせていますので、お好みに合わせてお選びください。

ロングパンツ

登山ショップの店員さんやガイドさんから最も支持されているのがロングパンツ。
枝や藪、岩などから足を厚い生地で守ってくれるのがロングパンツの大きなメリット。

1年を通して春夏秋冬と着用できるのもメリットとなっており、暑い時には通気窓になるベンチレーション機能を持たせることで快適性を高めています。

素足やタイツでは不安という方にはロングパンツをおすすめします。

フックをかけるところがあるんだけど、どうやって使うの?

バンジーコードを使って登山靴(トレッキングシューズ)のソール下にまわすことでズボンがずり上がってくることを防ぐことができます!

 

コンバーチブルパンツ

コンバーチブルパンツ、2Wayパンツ、着脱式パンツなどと呼ばれることもあります。

裏表ひっくり返してお洒落に着れますよ!というわけではありません。
ロングパンツにもなり、ハーフパンツにもなるタイプのパンツです。

多くのコンバーチブルパンツはジッパーで取り外しが可能。
気分や天気に合わせて切り替える際に重宝します。

1つで2つ分!というメリットがある一方で、ジッパー分と生地分が重みに反映されているのがデメリットと言えます。ジッパー部分の膝をどこかにぶつけた際は痛いという体験談もあるほど。

コンバーチブルパンツは一見すると割安にも感じますが、デメリットが潜んでいることも忘れてはいけません。

履き心地が一番大切なポイント

試着しないと分からない履き心地があります。
お店で実物を手に取り、実際に履いてみましょう。

1.手にとって伸ばしてみる

伸縮性を確認してみます。
股下などで生地を変えていることもあるので、箇所を変えて確認するようにしましょう。

2.履いて動いてみる

実際に履いてみましょう。
この時サポートタイツなどをあえて履いて行く必要はありません。
屈伸運動をしてみたり、膝が胸に着くくらいまで足を上げてみると良いと思います。

少しキツイかなとか、ひっかるかなと思ったらサイズを一つ上げてみるようにしましょう。
それでも違和感を感じたら、そのパンツは合わなかったということです。

履き比べてみて!

2つと言わずに、3つ、4つと履き比べてみてください。
ハーフパンツやロングパンツなどを比べてみても良いかと思います。

ジッパーなどの開け閉めも動きやすさに関わるポイントなので忘れずに確認したいところ!

 

立体裁断(ドレーピング)を取り入れているメーカーもあります。
立体裁断とは人型の台、いわゆるマネキンに「立体」的に布を巻きつけ、布を裁つ「裁断」で思い通り、作りたい形に布を整形していくことを言います。

メリットは身体にフィットしやすいことに尽きます。

 

パンツの用途に合わせた生地の種類を見分ける

・登山向きパンツ(トレッキング、ハイキング用)

・クライミング向きパンツ

・防寒用パンツ

・雨用パンツ

・リラックス用パンツ

これだけの用途が考えられており、用途ごとに生地を分けているとお考えください。

コットン素材・ダウン素材は避ける

原則的にコットン素材、ダウン素材はNGとされています。
良く言えば保水性の良さ、悪くいうと排水性の悪さを持ち合わせているからです。

クライミング用やリラックス用パンツではコットン素材を使っていることが多く、防寒用パンツではダウン素材を使っていることが多いです。

登山用途には向きませんのでご注意ください。

 

NGなパンツの一例
・カーゴパンツ(厚めのコットン素材の物はNGだが、ナイロン製の物はOK。)
・ダウンパンツ(ダウン素材を使っているため原則NGだが、防水処理、生地を使用している場合はNGとは言えない。)

最適な素材は化学繊維

登山用品には多くの化学繊維の素材が使われています。
ポリウレタン、ポリエステル、ナイロンなど。
化繊(カセン)と略されて呼ばれることが多く、登山者の間では常識となっています。

ウールの存在

化学繊維が台頭するまでの間、登山シーンを支えてきた登山服といえばウール素材で出来ているものが大半でした。
もちろん今でもウール素材の登山服は販売されていますし、化学繊維素材より品質、性能が劣るわけではありません。
最近ではウール素材を強く打ち出しているメーカーや山ショップも増えています。

今更!?かもしれませんが抑えておきたいのが、ウールは羊の毛のことを言います。
羊の毛は保温効果が高く、水を弾く撥水性を持っています。

メリット

・伸縮性が高い
・型崩れがしづらい
・燃えにくい
・通気性が良い
・保温力に優れている

デメリット

・高い撥水性を持ちながらも湿気をよく吸収すること
・虫に食われやすい
・毛玉ができやすい
・伸縮性が高い分縮みやすい

メリノウールが優れている

山ショップなどに足を運ぶとメリノウールと良く聴くことがあるかもしれません。
メリノ種という羊で、日本に輸入されてくるウールの8割はメリノ種のウールです。
メリノウールは肌触り良く滑らかな高級素材としても有名ですが着心地、防臭効果、体温調節に優れ大変人気があります。
登山向けパンツで採用されているプロダクトもまだ少ないですが選択肢の一つにしてみると良いかと思います。

 

登山パンツの選び方まとめ

山ガールの服装

生地を抑えて、試着で確認がセオリー

パンツの種類は好みや登山スタイルによるところも大きいですが、生地を抑えて履き心地を確認していただくのが間違いも少ないかと思います。

試着は前述のとおりサイズを変えたりしてみるのも一つ。
また登山靴を履いてパンツの試着ができると丈の長さもリアルです。

見た目も選ぶポイント

履き心地も大事ですが見た目も大事ですよね。
スリムに見える形を選ぶ人が多いのはメーカーもリサーチ済みです。

登山靴のソールが少し高めになっていることもあり、登山パンツの丈は長めであることが多いですが、絞るところは絞っているため少しタイト目な作りになっています。
その分タイト目な箇所は伸縮性の生地を採用するなどして動きやすさをカバーしているので安心です。

背が高く見えると同時に足も少し長めに見えるのは嬉しいポイント。
鏡を見ながらチェックするようにしてみましょう。

メンテナンスを意識して欲しい

パンツは買って、履いて終わりではありません。
自宅に帰ったらブラシで砂埃を掃いて落とし、洗濯表示に従って洗濯するようにしましょう。

砂埃や土などによって劣化も進むことになるので生地の破れやパーツ破損の原因となります。
メンテナンスを怠ることで数年モチが違ってくることもあるので、大切に使うようにしましょう!

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