登山を始めた頃、子供でストックの存在すら知りませんでした。
ストック=スキーで使う物程度。
その影響か、大人になってもストックを使うことはありませんでしたが、
人から借りて使ったことをきっかけにストックを使うようになりました。
夏山でも使う方は多く、雪山ではより使う機会が多くなります。
ストックを上手に使い、楽しく山行しましょう!
ストックって?
ストック(Stock)はドイツ語、英語ではステッキ(Stick)のことを指します。
トレッキングポール(Trekking Pole)と呼ばれることもあります。
このストックを持ち合わせていない方は木の棒を杖にしているのをよく見かけます。
また富士山などでは金剛杖として焼印と共に親しまれていますね。
ストックって必要?
ストックはいわば身体全体で登山を行うことを意味します。
ストックを持たない場合は、腕を組んで歩いたり、歩行に合わせて前後に振ります。
ストックを持つことで、体重が手から地面に伝わり、負荷分散になります。
足が疲れる、膝が痛い、肩が痛い、腰が痛いなどのお悩みをお持ちの方には、
負荷を分散させることをオススメします。
登りだけで、下りだけで使うというのでも大丈夫ですので、
使いやすい方法で使ってみましょう。
また雪山ではバランスを支えるのに非常に有用です。
踏み抜きがある箇所ではストックに感謝するシーンもあります!
ストックにもいろいろな形があります。
◆形状:折りたたみ式、伸縮式のものがあります。
・携行性
携行性においては結合部のシャフトが省かれている折りたたみ式が優れています。
3つ折り式になります。
・長さ調節
好きな長さで調節できるのが伸縮式のメリット。
折りたたみ式でも長さ調整ができるモデルはありますが、少し調整できる幅が短いです。
・価格
簡単にいえば折りたたみ式は高価。
(素材などにもよります。)
上記3点を考慮の上、お選びください。
◆持ち手:T字型、I字型の2種
持ち方一つで体重、力の掛け方が変わってきます。
I字型が様々な持ち方ができるので、オススメです。
T字型は持ち方が比較的限られ、今後減ってくる形になるのではないかと思います。
※T字型においては持ち手が長くあるI字型との兼用モデルもあります。
◆材質:アルミとカーボンの2種
アルミとカーボン、素材の違いで重さ、強度、しなやかさが違います。
強度面でいえば、アルミのほうが強いですが、どちらも素材として採用されるくらいですから、最低限の強度は持ち合わせています。
カーボン製はアルミ製に比べ100g軽い程度。
価格面では少し差が開き、カーボン製が高価です。
日帰り登山でも長期間の縦走においてもアルミ素材をオススメします。
調整方式・止め方の違い
調整方式とは伸縮の調整をする留め具の方式のことを指します。
大まかに3つ方法があります。
・スクリューロック式・・・連結箇所の上下シャフトをネジルことでロックする方法。
最も一般的な方式です。
冬山ではグローブをしているため、滑りやすくスクリューロック式はオススメしません。
・レバーロック式・・・連結箇所のレバーを締めてロックする方法。
主流になりつつある方式です。今後はレバーロック方式が一般的になってきます。
冬山でもレバーロック方式をオススメしますが、雪が周りに付着する場合は取り除く必要が有ります。
・ピンロック式・・・シャフト内にチューブが入っており、そのチューブを引っ張りテンションをかけ、スプリングピンをシャフトの穴に入れロックする方法。
折りたたみ式で一般的な方式です。
夏冬兼用ストック、夏専用ストックの存在。
ストックにはバスケットというものが存在します。
ストックの先端に付属するものです。
雪山ではスノーバスケットが付属します。
ストックが深く突き刺さらないようにサポートしてくれる存在です。
夏専用のストックには、このスノーバスケットが付属しませんので、ご注意ください。
(火で熱して、付属させるなんて方もいますが・・・)
深雪用のスノーバスケットなどもありますので、要チェックです!
ピッケル持たずにストックで!
ピッケルを杖代わりになんて記事をたまに見かけますが、
ピッケルを持つくらいでしたら、ストックで十分といえます。
ストックで十分な雪山も多いため、重いピッケルではなく、軽いストックで行ってみましょう。
(急勾配な雪山ではピッケルを!備えでザックに。)