レディースのレイヤリングで困ってます…
今年から雪山を始める山ガールより
こうしたお声をいただきましてこれからレイヤリングを重点的にお伝えしていきたいと思っています。
基礎代謝量が低い女性にとって(もちろん寒がりな男性にとっても)雪山の寒さは一つのハードルになっています。
ネットではわかりづらい、でも登山用品店でも聞きづらい。そういったお声もありましたので今回は雪山登山におけるレイヤリング術をピックアップします!
基本レイヤリング
暑くなったら脱いで、寒くなったら着ればいいんでしょ?という考え。はっきり言えば間違いです。何も考えずに着脱を繰り返すことで休憩時間が多くかかってしまい非効率かつ雪山ということもあり身体冷え切ってしまいます。
行動を予測する
暑くなるか、寒くなるかを天気と行動から予測していきます。
とてもシンプルなのでこれを読んだだけですぐ雪山で実践できると思います。
これから登る
肌寒いくらいの格好で登ります。
立ち止まっていて寒くない格好から一枚脱いでいる程度です。
(登り始めて5分程度で脱ぐ人がいますが、この時点で身体が温まっていない山仲間にとってはこの数分が辛い時間になります。)
これから下る
最初は温かいくらいの格好で下りましょう。
順調に下山していく場合は体感温度が上がってくることが予想されます。
一枚脱ぐ心づもりをしておきます。
休憩する
休憩時は温かい格好になります。
通常のレイヤリングではなく、ダウンジャケットなどを羽織り、シェルをその上から着るようにしましょう。
天候を予測する
このあと晴れる
雪山で晴れる場合、照り返しが非常に強く体感温度は真夏と同等になる場合があります。
結果的に格好が長袖シャツ1枚になることもあります。風が吹いていてもシェルを羽織る程度の場合もあると想定しておきます。
風が吹くことが予想される
防風のシェル(ハード、レイン)などをアウターとして着ます。
さらに寒がりの人は中に一枚着ておきましょう。
これから寒くなる
コルや山頂など風が吹く地形のところに入る場合やこれから気温が上がることはない天候などが予想される場合でも急いで着込む必要はありません。寒くなったと体感してから必要に応じて着るようにしてください。
雪が降ってきた
雪山において降雪はよくありますが、雨と違い急激に体温を冷やすものではありません。
雪質にもよりますが、急いで服装を整えるなどは必要ありませんので安心してください。
レイヤリングに頼らない調節法
脱ぐほどではないときも実際あります。そういう場合に先人達はどうしているのか。
ちょっとした工夫で解決することもありますので、確認しておきましょう。
前面部を開放
フリースやソフトシェルなどの上部(首元)から開放する、または下部(下腹部)から開放することで空気を取り込み調節します。
歩行中に脱げない時、脱ぐ直前まではジッパーなどで対応します。
ベンチレーションの活用
シェルの上下にベンチレーションがあります。(軽量化などで省かれているものもある。)脇の下や足横にありますので、上下から開放して空気を取り込むことができます。
雪山でのレイヤリングの重要性
暑い季節と比べて体温調整が難しくなってくるのが雪山。そんな雪山ではレイヤリングがより大切になってきます。ではどういったレイヤリングをすればいいのでしょうか。
どんな格好をすればいいの?
上半身の服装
実際に雪山に登っている山ガールを見ているとベースレイヤー、ロングシャツ、半袖Tシャツの順で着ている方が多いように思います。ロングシャツを2枚重ねている方もいますが、ゴワゴワ感を最低限にする工夫は必要になりそうです。
下半身の服装
サポートタイツ・防寒タイツと冬用に生地が厚手のトレッキングパンツを履き、その上からシェルパンツ(レイン/ハード/ビブ)を重ねて履いています。
ポイントとして、アイゼンは一度履くとシェルの脱ぎ着が難しくなるため、最初から履いておきます。またトレッキングパンツが裏起毛の場合、タイツの素材などによってはある着心地があまり良くないなども考えられますので確認が必要になりそうです。
足元の服装
ベースレイヤー思考が広まってから靴下(ソックス)においてもベースレイヤーを履き、その上から厚手の靴下を履く方が多くいらっしゃいます。どんなに寒くても足の裏は発汗しています。そう考えるとレイヤリングするのも納得がいくように思います。
そして登山靴を履き、寒さ対策も含めてゲイター(スパッツ)を履きます。