トレイルランニング(以下、トレラン)を行うことで登山に好影響を及ぼすことがあります。
登山の苦手ポイントを克服するためにトレランを取り入れる方も多くいらっしゃいます。
トレランスタイルで山に行ったことのある登山者はどれくらいいらっしゃるでしょうか。
もし経験が無いようでしたら一度どんなものか試してみてはいかがでしょうか。
より良い登山ができるようにトレランを上手に活用してみましょう。
トレランで得られる発見
登山道を見つける「ルートファインディング」
ルートファインディングが上達するのにトレランは最適なトレーニング法と言えます。
トレランを始めてすぐの間はスピードが先行してしまうため、目が慣れていませんので視野が非常に狭く感じることでしょう。
最初は戸惑うかもしれませんが慣れてくると視野も広がり道迷い、遭難の危険性を減らすことができます。
走っていることで目先の走る場所だけでなく、遠くを見渡す必要性が生じてきます。
登山時には1分後に到着していた位置まで走ることで30秒以内で行けることでしょう。
迫ってくる目標物を見失わないように遠くを見渡しながら走る必要があるのです。
結果的にトレランを始めることで、
山道を「走る」ではなく「歩く」時には視野の広がっている感覚を感じることでしょう。
足を置く場所「ネクストステップ」を見つける
いかに小さい段差を見つけるか、歩きやすい道を見つけるかはとても重要です。
1歩先だけでなく2歩、3歩先までを見て、最適なルートを見つける必要があります。
登山道を歩いていて、足を置く場所を見つけるファインディング「スポットファインディング」もトレランによって上達することができます。
下山スピードがアップする
下山が苦手という人によくお会いします。
・足がスピードに追いつかない
・早いと怖い
そういう方はトレランに取り組んでみてはいかがでしょうか。
下山時の歩行速度を上げる場合には身軽な状態で登山道を走行してみることが良い経験となります。
速度を体感し、足の運びなどがスムーズになることで
ザックを背負って歩く登山においてもスピードアップに結びついてくるかと思います。
装備の取捨選択が上手になる
登山では持っていく装備(山道具)もトレランでは持っていかないことが多々あります。
日帰りでも25L前後のザックを背負う登山と異なり、トレランでは5~10Lのザックに収まる装備で山に入ります。
ザック自体も軽量化を図りながら、山道具を始め行動食に到るまでコンパクトになっていきます。
例えばレインウェアも生地が厚めのものではなく、雨粒を弾く防滴の機能だけに特化させた生地の薄い、軽量化されたレインウェアになります。
トレラン装備について学んでみると、登山装備の選択肢も少なからず見直すようになることでしょう。
トレランを始めるにあたって
登山者がトレランを始めるにあたって筆者は不安要素は比較的少ないと考えています。
それでも不安に思う登山者の方は多いかもしれません。
不安に思う分、装備過多になってしまうこともあるかもしれません。
そこを思い切って装備をバッサリと自宅に置いて出かけてみてはいかがでしょうか。
ルールとマナーを確認してから始める
登山者のルールに沿ってトレランをすることは大前提。
上記でマナーとルールを確認することができます。
山に行く前に一読した上でトレランにチャレンジするようにしましょう。
登山の固定観念に縛られない
登山ではこうだ!という固定観念から一度脱却する必要があります。
ああでなくてはいけない!などと考えずに素直に山を楽しみ、走りたい時に走ってみるという形からスタートしてみると良いかと思います。
登山者のルールに沿ってトレランをすることは大前提と前述しておきながら、少し矛盾するようなことを申し上げてしまいますが、新しい山の楽しみ方としてトレランに取り組んでみて欲しいと願うばかりです。