夏テント泊に憧れる人はいても、冬の雪山でテント泊に憧れる人はあまり多くありません。
もしや、寒くて眠れないって想像していませんか。
準備不足で寒さに凍えるということはあっても、寒さ対策をきちっと行うことでシュラフの中でグッスリ眠ることができます。
設営や雪崩など考えないといけないことはたくさんあります。
しかし最初はあまり考えすぎずに気軽に始めてみてはいかがでしょうか。
山小屋近くで雪山テント泊入門
気軽に始めることのできるテント泊は夏も冬も山小屋の近く。
何かあったときにお金を払って小屋に泊まることができる安心感。テント場から目と鼻の先に灯りがあるというのは心強いですよね。
もちろん多少のことで小屋に逃げ込むことはできません。
重い荷物を背負ってテント場まで来たからには一泊しないと気が済みませんよね!!
【テント場がある】冬季営業している山小屋
山域 | 小屋名 | 営業日 |
奥多摩・奥秩父 | 七ツ石小屋 | 通年 |
奥多摩・奥秩父 | 雲取山荘 | 通年 |
奥多摩・奥秩父 | 三条の湯 | 通年 |
奥多摩・奥秩父 | 富士見平小屋 | 通年 |
南八ヶ岳 | 赤岳山荘 | 通年 |
南八ヶ岳 | 赤岳鉱泉 | 通年 |
北八ヶ岳 | 本沢温泉 | 通年 |
北八ヶ岳 | しらびそ小屋 | 通年 |
北八ヶ岳 | 黒百合ヒュッテ | 通年 |
北八ヶ岳 | 高見石小屋 | 通年 |
北八ヶ岳 | 青苔荘 | 通年 |
南アルプス | 七丈小屋(甲斐駒ヶ岳) | 通年 |
北アルプス | 西穂山荘 | 通年 |
鈴鹿山脈 | 日向小屋 | 土日祝日 |
年末年始のみの営業小屋は除外。
テントの設営と場所
設営場所を決める
風の影響、小屋やトイレまでの距離、雪崩の影響を考えて設営します。
山小屋近くでテントをする前提でお話をしますと多くのテント場では雪崩の心配はないでしょう。
風の影響は防風壁を設営すれば解決することもありますし、吹き溜まりにならない程度の天気予想であればそこまで気にする必要もありません。
設営地で最初にすること
設営場所を決めたらまずは整地です。
夏山では小石をどかして整地しますが、雪山では雪を踏み固めて整地します。
必要に応じてシャベルで削り、フラットなテント場を作ります。
整地作業を行わない場合、テント内での移動が動きづらくなるだけでなく、寝ている部分だけ窪み周りが雪ということになったり、バーナー転倒などの恐れもあります。
整地作業は必ず行うようにしてください。
テント用具一式と必要装備をチェック
名称 | 必要性 | 備考 |
テント本体 | ● | 冬季対応要確認 |
フライ(or内張) | ● | 冬季用フライではなくても可。 寒い時にジッパーの開閉ができなくなる場合があるため注意。 |
ポール | ● | |
竹ペグ | ● | ビニール袋で代用可能。 |
銀マット | ▲ | テント内部の底に敷きます。 |
シャベル(スコップ) | ● | |
プローブ(ゾンデ棒) | ▲ | 雪ブロック設営時に便利。 |
スノーソー | ● | トイレ設営時や木を切る時にも活躍。また雪洞掘る時にも活躍する。 シルキーゴム太郎の替刃推奨。 |
シュラフカバー | ▲ | テント内の霜が降ってくるのであると良い。無くても可。 |
シュラフ | ● | 快適指標値がー10℃前後は最低限のスペックとして必要。 |
シュラフマット | ● | エアー、膨張式で無くても問題ありません。 |
インナーシュラフ | ▲ | シュラフの性能に不安が残る時の補完。 エスケープヴィヴィでも可。 |
バーナー | ● | 寒冷対応のガス必須。 点火装置はアテにせず防水マッチやフリント式ライターなどを。 |
コッフェル | ● | 食器として調理鍋として、また水を作る際にも有用。 |
●:もしもの時に必要/あると便利
▲:場合に応じて必要
気になる山道具をチェック
名称 | 必要性 | |
ダウンシューズ | ● | 足裏に雪の上でも歩けるように滑り止めが施されてる物 通称:ゾウ足 |
ダウンパンツ | ● | |
ダウンジャケット | ● | |
ガス缶(寒冷対応) | ● | 水を作ることも考えて多めに持っていきます。 |
防水マッチ | ● | ライターが着火しない時のために必須 |
土のう袋&ゴミ袋 | ● | 水を作るための雪を入れて使用。 土のう袋はもしもの時のアンカーにもなるのでザックの中に2つほど入れておきましょう。 |
ナイフ | ● | 大雪が降った、雪崩に巻き込まれた際にテントから脱出際には必ず必要。 寝るときもシュラフ内に入れて寝ます。 |
たわし | ● | ザック、登山靴、アイゼン、フライ等についた雪を払い落とす用。 |
ナルゲンボトル | ▲ | 湯たんぽ用に。 ハイドレーションパック(プラティパスなど)やペットボトルでも代用可。 |
●:もしもの時に必要/あると便利
▲:場合に応じて必要
冬キャンプの満足度を上げる
快適に過ごせることが全て
暖の必要性は言わずもがな。
寒い思いをしていると手がかじかみ食事の支度や身支度も遅くなります。
また睡眠の妨げにもなりますのでテント内は暖かくしたいところです。
防寒着の着用も一つですがそれではテント内は暖かくなりません。
バーナーに火をつけ水を作り、湯を沸かし、ご飯を作ることでテント内も自然と暖かくなってきます。
ヌクヌクのシュラフから出られるか問題
家のお布団が気持ち良いように雪山のシュラフは最高です。
一晩体温で温まったシュラフ内部は至高の空間と表現できます。寒い思いをせずに寝れていたらですが・・・
シュラフが邪魔してごはんの準備が出来ないなど、その日の行動を左右することにもなりますので、シュラフは早めに出たいところですね(笑)!
雪山キャンプでやるべきこと
変わらないキャンプスタイル
設営して、ご飯を作って、食べて寝る。
雪山だからといって基本的なキャンプスタイルからは変更はありません。
だからといって春夏秋のキャンプのように過ごせるわけではありません。
やることは増えるのです。
やるべきことは増える
(小屋の近くのテント場でも)水場が凍ることは大前提のため、水を作る作業が発生します。
雪が降り積もる場合には除雪作業をしないと翌朝にはテントの中に閉じ込められる可能性が・・・。
また寒い中で仲間のパッキング待ちなど待機の時間などは極力避けたいですよね。
そのため撤収時のことも考え仲間でパッキングをどうするかなど考える必要性も出てきます。