降雪、気温共に冬到来を感じさせる寒気が入ってきています。
すでに雪山に入られた方もいらっしゃるかと思いますが、今シーズンがどうなるのか未知数という方もいらっしゃるかと思いまして、(予報業務は許可性のため)予報はできませんが、天気の予測などを行ってみたり、人の流れを予測していきます。
それでは早速、雪山のアレコレを予測してみたいと思います。
今冬の天気
気象庁発表の3か月予報をご覧ください。
11月24日発表の情報になりますが、2022年2月までの予報が発表されています。
(地域によっては)雪が多いことも予想されています。
降雪が続いた場合には雪崩の危険性も高まることを忘れてはいけません。(天気と人流は関連してくるので、天気が良いからといって安易に行くと雪崩に巻き込まれることも多いので注意が必要です。)
雨に注意
12月上旬までに暖かい日もあり、雪ではなく雨が降った山域もあったことが予想されます。
この場合、雪質の変化や強度の低下などが想定されます。
もし降雨の後に気温が低下した場合には、硬いレインクラスト(薄い氷板の層)が形成されます。
降雪の後に雨が降るだけで大きく環境が変わることもあります。
今後も雨が降る可能性は十分にあるだけに注意が必要といえます。
雪崩の可能性
雪崩のリスクは常に伴うのが雪山。
それは2021年も2022年も変わりません。
特に人流が増える土日と降雪のタイミングが重なるとリスクは増大します。
人が雪崩のキッカケになるということがあります。
その点を頭に入れて雪山に入山するようにしましょう。
地形を読む
雪崩地形という言葉があります。
雪崩の危険に晒される可能性がある場所を雪崩地形と言います。
雪崩が起きる場所を発生区と呼びますが、発生区の状況を見極める必要があります。
斜度や風などの天候、植生などです。
詳しくは日本雪崩ネットワークをご参照ください。
人流予測
天気に左右される山の人の流れ。
高速道路で、ふと前の車を見るとアウトドアブランドのシールを貼っていたりするものです。
どの山に行くか選択肢はたくさんありますが、人気の山は登山道が渋滞するほど。
それほどアウトドアブーム、登山熱は高まりつつあります。
さらには2020年夏、2021年夏にキャンプを始めた人、そして登山を始めた人がアウトドアに慣れ始め、装備への投資も十分になってくると徐々に冬季の登山へと足を踏み入れます。
キャンプから登山へ
2020年夏、コロナ禍でキャンプデビューをした人々が登山に流れてきても不自然ではありません。
また2、3時間のハイキングからスタートし、2021年には森林限界を超えた山々にステップアップするのも自然の流れです。
このままいくとスノーシュー、アイゼン&ピッケルを使用しての活動なども増加してくるのではないでしょうか。
山岳会に若手入会者多数!?
全国各地にある山岳会には今若手と呼ばれる30代〜40代の入会者が増加しているといいます。
山岳会へ入会するまでのプロセスこそ見えてはいませんが、(クライミングや沢登りも含めて)雪山登山を適切な経験者の元で経験したいという一つの選択肢が山岳会となっています。
山岳会に所属している人が増加していることからグループ登山の増加も想定されますが、山岳会とは別にプライベート山行も行っていることが予想されますので、全体的に人は増加傾向にあるとみています。
また、短期間でスキルを積んでいることも考えられるので、アイスクライミングの場にも徐々にですが人が増えてくることが予想されます。
アレコレ予測してみた感想
天気、人流と見てみました。
実際の天気は直前1、2週間天気図と睨めっこしながら、積雪の状況などを見極めて雪崩などの可能性を検討します。
また行ってみないとわからない部分も多々あります。
それでも人流を想定して、雪崩のリスクを見極め、時には行かないという選択肢があっても良いのではないかと考えています。それは命を考えてのこと。
雪崩に巻き込まれた時に適切な装備を装着していないことで見つからなかったという事態も容易に想像できます。
無理に雪山に入るのではなく、天候や人流を見極めて入山していただければ本記事を書いた甲斐があったというものです。