先日掲載した「歩くを意識する(1)」の記事では、パッキングや姿勢、体幹について書かせていただきました。
前回に続き「歩く」について書かせていただきます。
平地でも山の上でも「歩く」ことは基本動作ですが、山の上で正しく「歩く」ことはできているのでしょうか。
「歩く」基本を見ていきましょう。
歩き方の基本
足の裏全体で大地を感じる
つま先だけ、カカトだけなどの足の一部ではなく、足の裏全体で地面を踏むことがとても重要です。
地面を掴むようにと表現すればいいのでしょうか。
これは夏山登山においてはもちろん、雪山登山においても同様のことが言えます。
アイゼン、軽アイゼンを装着しても足の裏全体で雪面を踏む込むようにして歩くことが求められます。
フラットステップ
靴底を地面、雪面に対して平行に置くことをフラットステップといいます。
登山を始めて間もない頃、雪山登山を始めて間もない頃は地面に対して意識的にフラットステップをするようにしましょう。
フラットステップを習得することは安全登山だけではなく身体全体の安定にも繋がる大事な技術といえます。
意識すること
1、小石
狭い登山道では小石を落とすことは人を怪我させることに繋がります。
いわゆる落石というものです。
小さい石が大きい石の落石にも繋がるので、注意するようにしましょう。
2、バランス
歩くを意識する(1)でも書いたとおり、バランスが重要になります。
身体の姿勢、体幹を意識していただき、パッキングにも注意するようにしましょう。
3、呼吸
呼吸はリズムです。
リズムを刻むような呼吸を意識しながら歩けるようになると良いかと思います。
運動に不慣れな方ほど身体が標高や運動状態についていくことができず体調不良を起こしてしまうことがあります。
歩きながらでも深呼吸ができる程度の余力を残して歩くようにしましょう。
登山靴との付き合い方
既製品が大半を占める登山靴では足との相性は個人差が大きく、完全にフィットするには難しいものがあります。
そのため靴との付き合い方がとても重要になってきます。
靴紐の結び方を意識する
登りは緩めに靴紐を結び、下りでは少しキツめに靴紐を結ぶことを意識するようにしましょう。
あまりにも緩いと雪山では踏み抜いた際に登山靴がすっぽり脱げてしまうことになるので注意しましょう。
小石や雪団子は取り除く
登山靴に小石や雪団子がつくとバランスを取るのが難しくなってきます。夏山では小石、雪山では雪団子を意識的に取り除くようにします。
小石は指で取り除くのが難しい場合は小枝などを上手に活用。
雪団子ではピッケルで登山靴を軽く叩くなどして落とすようにします。
身体の変化を考える
長時間の山行などで足には疲れがたまりやすくなっています。
足のむくみなどを考慮しておくと登山靴との付き合い方も必然と変わります。
歩くを意識する(2)まとめ
「歩く」を意識することについて書かせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
基本的なことですが、夏山においても冬山・雪山においてもとても重要なことばかり。
これまでの歩き方を振り返ってみて、歩き方の基本から見直してみる機会にしていただければと思います。
次回の「歩くを意識する」では具体的にどうやって歩き方を矯正するかをメインに書いていきます。